2008年04月25日

TIP-OFF (44)

Sportiva 6月号 『スラムダンク』とジョーダンの時代
買いました〜♪
この表紙を見たら内容不問で即購入!

TIP-OFF : Filip Bondy(著) Published by Da Capo Press
第13章: Sweet Sixteen - 1

友人が、家族が、知人たちが、ゴンザガ大学の若者についてフランク・レイデンの耳にささやき続け、バスケットボールを知る人々からも、ジョン・ストックトンの噂は伝わってきた。レイデンが、この断固としたポイントガードについて初めて耳にしたのは、ウィーバー州立大学のコーチ、ニール・マッカーシーからだった。「彼は良いポイントガードになるだろう。クイックで、強くて、パスがうまい」。ストックトンの2年生のシーズンが終わったあと、マッカーシーが主催するバスケットボールキャンプで昼食を共にしながら、そう聞かされたのだ。
おせっかいな助言にいちいち耳を傾けていたら、自分の頭がおかしくなり、たぶん、今まで以上に大きな間違いを犯すことになるだろうと知っていたレイデンは、マッカーシーの推薦を「右から左へ聞き流した」。
ユタ・ジャズでゼネラルマネージャーとコーチを兼務していたレイデンは、かろうじてその名前だけを心にとめ、ほぼ2年後、ゴンザガ大学から何本かのビデオを取り寄せるまで、ストックトンのことを忘れていた。「何本かテープを見ても、やはり大して興味は引かれなかった」と、レイデンは言う。

しかし、レイデンの耳に噂は届き続ける。今回は、ブリガム・ヤング大学のコーチ、ラデル・アンダーソンからだった。五輪代表選考委員会のメンバーだったアンダーソンは、ストックトンは本当に素晴らしい選手で、もしボブ・ナイトが自分の教え子のスティーブ・アルフォードに強く肩入れしていなければ、当然代表チームに選ばれるべきだったとレイデンに伝えた。そして、さらに、ジャズのために西海岸をスカウトしていた元ユタ大学のヘッドコーチ ジャック・ガードナーは、カレッジ・オールスターでストックトンのプレーをスカウティングし、「素晴らしい逸材がいる」と、レイデンに報告した。ジャズの何でも屋、デイビッド・フレッドマンも同じことを言った。「ゴンザガの試合はテレビ中継が少ないから、まだほとんど目立っていない。しかし、非常にクイックで、シュートもうまい。精神面の強さまでは、まだちょっと測りかねるが」
レイデンの息子のスコットは、父親のアシスタントの1人で、1巡目指名のリサーチと提言を担当していた。父親と一緒にシカゴのプレドラフト・オールスターゲームへ出かけたスコットは、ストックトンを観察した。練習試合でケビン・ウィリスと組んだストックトンは、将来のストックトンとカール・マローンの前触れとなる素晴らしいコンビネーションを見せた。スコット・レイデンは、コートを走り、速攻をリードし、ウィリスにパスを通すストックトンを見た。そして、それほど感銘を受けていない父親にストックトンを薦めた。

「シカゴで彼を見たのだが、あそこでは観点を失うよ」と、レイデンは言った。「誰もが走り、跳ぶことができる。彼らの姿が目に飛び込んでくる。運動能力は無視できないものだ。ジョンについては、『良いプレイヤーに見えるが・・・』としか思わなかった」
その後、ターニングポイントとなる偶然の出会いがあった。「シカゴのホテルのエレベーターで鉢合わせしたんだ」と、フランク・レイデンは言う。「ジョンの方から自己紹介してきたので、握手を交わし、太さを確かめようと腕をつかんでみた。彼はあまり大きく見えない。小さくて、顔色も悪く見える。だがね、二頭筋をつかむと、鋼をつかんでいるようだった」
レイデンはシカゴで長く過ごすつもりがなく、息子やスカウトに仕事を任せた。やがてユタに戻ってきたスコットは、父親がすでに予想していたが、あまり聞きたくないことを進言した:16位でストックトンを指名すべきだと。
「ゴンザガ大学の男か…と思ったね」と、レイデンは言う。「つまり、ビング・クロスビーが最後の有名人という大学だからね。それに、もし今回の指名がうまくいかなかったら、今は私を嫌っていないファンまで私を憎むようになるだろう、と」

結局、フランク・レイデンはスタッフの耳打ちを聞き入れた。ジャズはストックトンを指名することに決め、自分たちより上位の15チームに気づかれないように、彼のことを可能な限り隠しておこうとした。少なくとも1チーム、クリーブランドがストックトンに興味を示していたのだ。秘密工作員モードになったジャズは、本部のボードにあるドラフト候補リストからストックトンの名前を消した。ストックトンがシカゴに登場する以前から、フレッドマンはジェイ・ヒロックに頼んで、バージニア州ポーツマスのプレドラフト・ショーケースを欠場するよう説得しようとしたが、ストックトンはポーツマスへ行った。ジャズのロスターには年齢的にもピークを迎えた現代最高のプレイメーカーの1人、リッキー・グリーンがいたため、レイデン父子は、自分たちが小柄な選手を指名すると考える関係者は少ないだろうと判断した。前年、ジャズはジェリー・イーブスという成長株のバックアップと共に素晴らしいシーズンを送った。しかし、イーブスはプレーオフ直後にひざの手術を受け、秋までに準備ができるかどうか不明だった。「うちにはすでにオールスター寸前のポイントガードがいたから、ジョンを選ぶと思われなかったことはもっともだ」と、スコット・レイデンは説明した。「だが、私たちは心底ジョンに興奮していたよ。彼こそが私たちの大本命だった」





posted by まき at 21:11| Comment(4) | TrackBack(0) | TIP-OFF | 更新情報をチェックする
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